早稲田大学は、創造理工学部建築学科建築史研究室が中心となり、カンボジア政府文化芸術省と共同で1998年よりカンボジア、サンボー・プレイ・クック遺跡群の調査研究と保全事業を行っております(詳しくはコチラ)。
これにより,従来考えられていた遺跡群の全体像は大きく塗り替えられ,アンコールに先立つ大規模なこの都城址には,建築遺構の他,水路や溜池,ダムといった水利施設,古道などの土木事業の痕跡も数多く記録されました。2km四方の環濠に囲まれた都城内には60以上もの煉瓦造遺構が確認され,古代都市の痕跡が良好な状態で埋伏していることが期待されます。
現在、同遺跡の都市部では筑波大学の下田一太先生が中心となって発掘調査をおこなっておりますが、2015年度より当研究所も調査に参加しております。 世界遺産であるアンコール・ワットよりも500年も前に築かれた都市と寺院の複合遺跡であり、アンコール朝の成立を考える上だけでなく、東南アジアにおける古代国家の成立と都市の出現過程を考える上でも非常に重要な遺跡であり、遺構に加えて、インド起源の遺物やクメール独自の遺物の研究の進展が望まれています。
2016 年度以降の調査予定については、改めておしらせいたします。